こもる腰と、膝の抜きと、逆足のガマク吊りの三要素は、別々に及第点まで修得してから混合した方が良いでしょう。
こもった腰では、壁をドンと押す操作はしません。 壁を蹴るのではなく、前側の壁圧が減るため、後壁に押されるようにツーという滑り出すような前進になります。 前後の壁の圧力差の比率を維持し続けて前進を続けますので、プレスされたままになり開放はしません。
開放されないため、前進後進のいずれでも骨盤の角度は変化しません。 正確に言えば極僅かな角度変化が起こりますが、高密度な餅身の意識からすればあくまでも1フレーム分の変化であります。 よって屈筋と伸筋の同時発動における振幅を考えれば、無いに等しいどころか無い以上の変化の無さでなければなりません。
僅かな圧力差であっても発生している袴腰エネルギー自体は強大なため、推進力は強大です。 ただし余程に熟達しないと、開放時程の瞬発力を得難い難点があります。
また腰と上半身の連動が難しいです。 爪先から頭頂までを一本の正中線として意識して下さい。 実は身体の何処かの一部が動いた時には、既に全体が動いているのです。 先ずは頭部前進(頭突き)を、諸手取りのカキエ(実)のようにして、動かさずに動き出すようにしましょう。 高いフレームレートにして、コマ送りで一コマ(1フレーム)づつ確認、感じ取りながら行いましょう。 |