投稿時間:2012/11/11(日)15:46
投稿者名:管理人
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タイトル: 技法の素晴らしさ

押忍、お元気にお過ごしのことと存じます。
人生にも武道にも、疑問や迷いは付きものですよね。

普段からの怪我予防対策は、大切であり効果も大きいと思われますが、流石
の早突多蹴さんですね。
アルロンサン投与と同時に、如何にして膝に負担をかけないで動作するかも
研究してみて下さい。


ご質問につきまして、以下に回答させて頂きます。

【その1】
@どのような運動が膝に悪いのか、自分では中々に分析し難いものです。
居合道でも膝を悪くする人が多いようですが、これは足で地面を蹴ってしま
う未熟さに起因します。
剣や柔術、そして空手(この場合は首里手)でも同様に地面は蹴ってはなら
ないのです。
動作は足で歩く(走る、跳ぶ)のではなく、腰で歩くようにするのが理想で
す。
他にもガマク(浮き身)等の技術も重要不可欠な技法となるのですが、初心
〜中級者ではそのような高等技術は望み難いでしょう。
極力、良い指導者にマンツーマンで習うのが最善策でしょうが、実際には
中々難しいですね。
せめて普段の稽古時の意識の仕方としては、膝を怪我しているものと仮定
し、極力負担を掛けずに通常の動作を維持するように意識するのが良いでし
ょう。
通常、それらの伝統技法は秘伝とされ一部の高弟以外には非公開の場合が多
いものです。
認められる高段者になるまで頑張ってと言いたいところですが、怪我の回復
が遅くなる成人年齢者としては痛いところですね。
現在、尚誠館では奇数の稽古日に伝統技法の指導を行っております。
もし機会があれば一度ご参加下さい。

【回答その2】
誰しも時間は無制限にある訳ではありません。
よく熟考して良質の道を吟味、選択し、集中していきたいところですね。
順調に実力を付け昇段していくのであれば、最低でも週に二日以上の稽古量
が欲しいところです。
高段を目指すのであれば、更なる稽古量が必要となります。
まして技の真髄は最高段位(十段、または免許皆伝)にあるのですから、そ
れを考えれば毎日の稽古でも足りない程といえるでしょう。

A武術の競技化については様々な経緯や意見がありますね。

競技化は各武道の技術を更に進化させる為に行われたものでは無いように思
われます。
明治期の文明開化の新時代に入り、これまでの武術は既に無用のものとみら
れ、著しく衰退した時代がありました。
競技化は武術が武道として生き残る一手段でもあり、大衆に向けて普及させ
る為でもありました。
技術的には簡素化し、安全なルールの下での模擬戦闘を行うことにより、競
技人口を増やすことが可能であったのです。

一方で残念なことには、競技化によって古伝の技が失われた点もあります。
本来は完成さえすれば競技の場でも高い有効性を発揮する技法が多々あるの
ですが、現代では競技会場では見ることは皆無となってしまいました。
例としては、古伝の日本武道の技々を現代体育として集大成した合気道の技
は、柔道の試合でも非常に有効であることは間違いありません。
しかし、非常に高度な技法であるため、実戦や競技の場で通用する腕前にな
る為には、非常に長年の修行が必要となるのです。
勿論、習得に長年掛かってしまう古伝技法では、忙しい競技生活の中ではじ
っくりと取り組むことは困難であることは理解できます。
結果としては、競技に特化した技の稽古が主になるのは仕方がないのではな
いでしょうか。
事実、故三船久蔵氏(講道館十段)の技は現代柔道とはかなり違っており、
殆ど合気道や古流柔術に近い技であると見受けられます。

古流の優れた技を学ぶことは、競技としても非常に有効でありますが、怪我
や損耗を防ぎ生涯武道としても有益であるといえましょう。
古流武術の達人がなぜ競技の場に参加して来ないのかは、説明が長くなり過
ぎるので、ここでは省きます。

古流を修行中の合気道と剣道に活かしたいのであれば、道場を探す時に幾つ
かの注意点が必要です。
同じ古流といっても、流派成立の時代によって技術内容が異なる場合があり
ます。
超大まかな区分としては、成立が戦国時代期(ここでは便宜的に古古流と仮
称します)のものか、江戸時代期(新古流と仮称)のものかで分類されま
す。
日本最古(天文元年発祥)の柔術流派である竹内流(正式には竹内流小具足腰
之廻)と、江戸期武術の影響の濃い合気道とでは、まるで違う技術体系で
す。
お勧めは、江戸期に集大成された(新古流:仮称)の流派が良いと考えま
す。
剣術から派生した居合道は、柔術に対する合気道のような立場的要素があり
ます。
英信流や夢想神伝流も非常に優れた技術性を持っていますが、道場や指導者
によっては稽古内容が形骸化している危険性も否めません。
これは合気道でも同様ですが、実戦武術として意識して稽古(または指導)
しているか否かの点にあります。
例え試合を行わない居合道や合気道であっても、試合を行う剣道や柔道以上
の気迫と目的意識を持って修行せねばならないということです。

色々な道場を見学、体験して回ることは大いに有意義だと思います。
しかし特に(新古流:仮称)の技は、初心者と上段者とでは大きく変わって
きてしまい、流派の特徴を掴み難い点にご注意下さい。

居合刀は、道場によっては購入先が指定されている場合がありますので、ご
注意下さい。
件のURLではオーダーメイドのフォームがありますが、好みの仕様を入力
して出来上がった刀の詳細一覧を見て楽しんでおります。
金に糸目を付けずにポチッてみたら、どえらい金額になってしまいました。
とても最後の購入決定ボタンは押せませんです。