投稿時間:2010/12/21(火)13:31
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タイトル: 失神する程の苦悶の痛み・・・

押忍
ご投稿頂きまして、誠に有難うございました。

第弐武道場の空手考察の「2、小は大に勝ち得るか?」につきましてご意見を
頂きましたが、大変に興味深く拝読させて頂きました。

近代格闘技では複数の連続攻撃によってダメージを蓄積させ、最終的に止め
の一撃で制圧する方式を多用します。
一方で街頭実戦の場では、戦闘時間が長引くほど致命傷を負う可能性が増す
ため、極力短時間での決着が理想とされます。
故に一撃必殺の技が求められるところですが、まさに金的攻撃こそはどのよ
うな大男が相手でも打倒可能な必殺技といえるでしょう。
金的は蹴る、叩く、握り潰すなど、あらゆる攻撃に対して無力な最大急所の
一つだからです。
剛柔流の開祖 宮城長順も、「解きと結びとの原理」の補足条項の中で、攻
めるべき三大急所の一つとして金的を示しています。

金的攻撃とは、徒手空拳の対手に対して剣を持って戦うに等しい殺傷力を発
揮すると言っても過言ではないかもしれません。
文中で「大が小より有利」と書いたのは、同じ日本刀を持った者同士であれ
ば、短剣より長剣の方が有利であるとの意味からです。
この場合は、それぞれ自分の剣の重さに見合った身体能力と技術があること
が条件になります。
いくら長い方が射程距離において有利といえども、重過ぎて取り扱い切れな
いのでは無意味だからです。

無論、状況や相手によって条件は様々に変化します。
当会では、寸止め、実打ともに、黒帯以上は金的攻撃有りで自由組手を行っ
ております。
小柄な人が大柄な人をフットワークでかく乱し、金的攻撃を決めるケースも
まま目撃してきました。
逆に大柄な人の射程距離の長い攻撃に阻まれ、小柄な人は接近できずに困惑
する場面もありました。
また、金的有りのルールに慣れていない方の場合は、大柄な人ほど金的攻撃
を受けてしまう傾向があり、この場合は小柄が有利と実感しました。

アメリカンフットボール出身のボブサップと、ボクシングヘビー級チャンピ
オンだったマイクタイソンとではカテゴリーが異なり、如何に体格差があろ
うとも小が有利の場合が発生します。
仰るとおり「体の大きさ=パンチ力というわけではない」の意見には、全く
同感です。
あくまで同じカテゴリー(同技術レベル同士の意味)内で比較した場合、プ
ロボクサーのヘビー級とライト級のパンチ力では、全競技者のその平均値に
おいて差があるという意味なのです。

人間はスズメ蜂にはなれませんが、武術家は古来から昆虫や動物の動作を研
究し、取り入れてきた経緯もあります。
「蝶のように舞い、蜂のように刺す」の言葉もありますが、対手を翻弄でき
るほどのフットワークや動きが可能であれば、圧倒的に有利な立場で攻撃が
可能となります。
そしてその時に攻めるべき部位は、金的などの急所であるべきなのです。

対手を翻弄するための技法として、「入り身」と「零の理(日本武道でいう
合気術)」がありますが、ご指摘の通り、「ちゃんと戦術を考えて撃てば女
性が体重100キロの大男に勝てる可能性が十分にあるのが金的と言う技術
の強さ」であると考えられます。

お近くにお出かけの際は、ぜひ当方へお立ち寄り下さい。
改めて意見の一致を祝したいと存じます。