もう何年も前になりますが、12から13年ほど旅がちな生活をしていました。風 邪対策として、ホテルの浴槽にお湯を張り、ドアを開けたまま寝る事でした ね。出先で熱が出て客先回りはつらいもの。やるとやらぬのでは大違い。やは り湿気は大切な武器だったようです。 腰を落ち着けて寺島学校に入学した頃には、柳川昌弘先生の「空手の理」とい う本を読みまして、その中に 「健康なときには目一杯の稽古、具合の悪いときにはそれなりの稽古ができ る。だからいつでも体調に合わせた稽古はできるんだ。」 というような文がありましてね。僕としては今日は熱っぽいから、吐き気がす るから、あまり寝てないからなどというような日はそれなりの稽古をさせても らおう、と思いながら道場に行ってました。 それなのに、火吹達磨や赤鬼青鬼をはじめに皆様にえらいドツきまわされ頭の 回りは星だらけになって、空手の稽古って一人でするものじゃないのよねって しみじみしたのを思い出します。でも皆様の拳や足がめり込むたびに僕の中の 風邪の菌が滅ぼされていくのを薄れ行く意識と共に感じてまして、大概は稽古 が終ると復調していたような記憶があります。 あ〜ぁ、また稽古に行きたいなぁ。 |