投稿時間:2007/2/22(木)13:23
投稿者名:管理人
Eメール:ichiyukai@@kalate.com
URL :http://www.kalate.com
タイトル: 那覇手ここに在り

押忍
お久しぶりです。
稽古にご精進されておられるご様子で、頼もしく思います。

寸止めの組手で那覇手の技法を活かしたい、こだわりたいとのお気持ち、私
も同じ気持ちでございます。痛いほど共感するところであります。

那覇手の技法となると、対手の攻撃を全て打ち落とし接近戦に持ち込んで仕
留めるのが、理想的といえます。

1、先ず掛け引き受けや回し受けなどの鉄壁の防御、またはそれに代用される
捌き足などの入り身が必要になります。

2、次に対手の動きをいったん制する為の足払いや柔法が必要になります。こ
れが無いと反撃を受けてしまいます。踏み込みの無い剛法の威力不足を補え
ません。

3、最後に止めをさす剛法攻撃をかけます。

上記の123が揃えば那覇手的といえるでしょう。
通常一般的には1と3のみで、かわしつつ反撃となる場合が多く、これは那覇
手的には一味欠ける感があります。
対手の攻撃を防御でかいくぐり、接近戦に持ち込んで柔法を仕掛けられるか
どうかが、ポイントとなります。

試合では柔法が許されていないので、代わりに強烈な足払いが必要です。
止めの剛法も踏み込みが無い状態ですので、背刀打ちや裏拳打ちでは威力不
十分と見なされる場合があります。
転倒させておいて上から四股立ちで突くなどが、必要かもしれません。

さらに二通りのパターンがあります。
自分から仕掛ける場合と、対手からの仕掛けを待つ場合です。
どちらもそれぞれに難しく、かつ容易い点があります。
また対手のレベルによってもその点が変化しますので、一律ではありませ
ん。
最終的には同じ事となりますが、それぞれの特徴、要点を把握しておく事が
大切です。

ご質問の先制攻撃ですが、入り身の場合はジグザグに進むというより死角に
入りつつ進むといった方が良いでしょう。
しかし、一般的なレベルの対手であれば防御能力を鍛えることによって、
徐々に近づいていく戦法が可能です。
運足を用いない平行立ち組手などで、回し受けなどの防御全般を鍛錬して下
さい。
防御が完璧であれば、入り身を用いずに直線的な前進でも大丈夫です。
ただし、右構え同士、左構え同士の場合には、中段逆突きに対しては虚を突
かれ易く、注意が必要です。
中段の左右の鍵蹴り、回し蹴りを併用して、中段を打たせないようにすると
良いでしょう。
対手が打とうとする瞬間を防御で押さえ込むようにするのが最大の要点で
す。
この場合は、間合いやタイミングを測る「零の理」が大切になります。

問題は上級の首里手式の対手が相手の場合です。
この場合は、正中線の外しや捌き足などから成る、完成した「入り身」を用
いる必要があります。
勿論「零の理」も必要となるでしょう。

難しい技法ではありますが、完成すれば日本刀で武装した対手が相手でも勝
ち得るとまでいわれるこれらの技法です。
これらの成否が勝敗の鍵を握るでしょう。
鍛錬方法としては、初めは首里手式の組手の中で稽古した方が習得しやすい
でしょう。
襲い掛かる対手の攻撃のタイミングを読み取る能力が必要だからです。
「敵を知り己を知る」の如く、首里手攻撃がどういったものか、自ら稽古し
て体得、体感しておくと、それが分かりやすいのです。